源次郎の刻印

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釈迦に説法

 私が特別国家公務員だった時の同期に、南国の島出身の奴がいた。
 南国の小さな島育ちだった彼は、恐ろしく純朴で、そしてある意味無知に近かった。

 高校を卒業して自衛隊に入隊する事になった彼は、生まれ育った島を出て、初めて海を渡った。
 島から鹿児島までは船。鹿児島から博多までは、自衛隊の車で送ってもらった。
 博多駅での事。募集担当の自衛隊員から、細かな説明を受けていた。
 「いいかぁ、これから電車に乗って東京で降りるんだぞ。」
 配属される教育隊が横須賀になった彼は、まずは新幹線で東京を目指す事になった。
 「切符を渡すから失くさないように注意しなさい。」
 島を出るのが初めてだった彼、勿論新幹線も初めて。
 「切符は二枚あるね?」
 乗車券と特急券
 「その二枚がないと電車に乗れないから、絶対なくさないように。」
 担当者も心配で、説明に熱が入る。
 「東京に着いたら、山手線に乗って品川まで行って。。。。」
 と、メモを手渡しながら乗り継ぎの説明をする。
 「じゃぁ、私はこれで帰るけど、がんばるんだぞ。」
 「はい! がんばります!」
 初めて島の外に出た彼、都会への期待、大好きなお婆ちゃんの強い希望で入隊した自衛隊。故郷の島では、公務員と言えば大出世、しかも国家公務員。
 様々な期待と不安を胸に、彼は新幹線の窓の外を流れる景色を眺めていた。
 だがしかし、彼はすでに悲劇の指定席に座ってしまっていたのだ。

 私の記憶では、改札出なくても山手線に連絡できたはずなのだが、東京駅に着いた彼は、一旦改札を出てしまう。券売機の前に立った彼は、次の目的地である品川駅を探した。
 「あった。。。」
 料金を入れ、品川までの切符を買う。
 「あれ?」
 切符が一枚しか出て来ない。
 『その二枚がないと電車に乗れないから』
 募集担当のそんな言葉を思い出した。
 もう一枚買わなきゃ。。。もう一枚って何だろう?
 そんな彼の目に映ったものは。。。
 入場券のボタン
 これだ!
 彼は迷うこと無く、そのボタンを押した。
 こっちの切符で入って、こっちの切符で乗るだ。。。そうだ、間違いない。
 意気揚々と改札に向かう彼。
 駅員に切符を手渡す。
 「ん?君、これどうするの?」
 明らかにキセルかなんかと間違われた彼。
 「あ こっちで入って、こっちで乗ります!」
 「え?二枚使うの?」
 「はい。電車は二枚ないと乗れませんから」

 駅員さんに電車の乗り方を説明してしまった彼であった。
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